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Greatest Hits vol.2 1971

アルバム・コメント

 

Record

Side A
1. Watching The River Flow
2. Don't Think Twice, It's All Right
3. Lay Lady Lay
4. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again

Side B
1. I'll Be Your Baby Tonight
2. All I Really Want To Do
3. My Back Pages
4. Maggie's Farm
5. Tonight I'll Be Staying Here With You

 

Record

Side A
1. She Belongs To Me
2. All Along The Watchtower
3. The Mighty Quinn (Quinn, The Eskimo)
4. Just Like Tom Thumb's Blues
5. A Hard Rain's A-Gonna Fall

Side B
1. If Not For You
2. It's All Over Now, Baby Blue
3. Tomorrow Is A Long Time
4. When I Paint My Masterpiece
5. I Shall Be Released
6. You Ain't Going Nowhere
7. Down In The Flood

 

 

 

 

 

 

 '67年に出た「Bob Dylan's Greatest Hits」の続編で、「New Morning」の翌年の'71年に発売されました。 

 vol.1 の選曲から漏れた「The Freewhhlin'」から「Blonde On Blonde」までと、それ以降の「New Morning」までの代表曲を無難に並べたオムニバスものとしての他に、これまで未発表だった曲やシングル曲などが収録(全6曲)されたコレクターズ・アイテム的な側面も併せ持った編集盤です。

 そのスペシャル音源としてはまず、「New Morning」の翌年にニューヨークでレオン・ラッセルのプロデュースのもと録音された Watching The River Flow と When I Paint My Masterpiece があります。シングルとして発売された前者は無骨なレオンのピアノとギターがファンキーな荒くれソングで、後者はザ・バンドがアルバム「Cahoots」でもカバーしたスケッチ風の佳曲です。

 Tomorrow Is A Long Time はエルビス・プレスリーやロッド・スチュワートなどもとりあげた「The Times They Are A-Changin'」の頃の作品で、弾き語りのライブ・テイク。臨場感のある、とても叙情的な小品です。

 そしてアルバムの最後を締めくくる、I Shall Be Released からの三曲は、'71年の10月にハッピー・トラウムらとレコーディングされた生ギターによるセッションで、「Basement Taps」時代にザ・バンドと演奏した曲をディランはここでセルフ・カバーしています。

 I Shall Be Released はもちろんザ・バンドが衝撃のデビュー作「Music From Big Pink」でカバーした珠玉の名曲で、他の二曲もザ・バーズなどがカバーしていますが、ディランはここではお気楽にセッションそのものを楽しんでいるようなリラックスした仕上がりです。

 このアルバムが発売された頃のディランは、元ビートルズのジョージ・ハリスンが企画したチャリティ・コンサート(「Concert For Bangladesh」)に出演し、Blowin' In The Wind , A Hard Rain's A-Gonna Fall, Mr.Tambourine Man, Just Like A Woman を歌い、その模様は同名のアルバムとビデオで聴くことができます。

 また'71年の11月に、シングルとして久しぶりのプロテスト・ソング George Jackson が発売され、二つのテイクのうちのバンド・バージョンの方が日本で編集されたCD3枚組の「Masterpieces」に収録されています。

 

 

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Watching The River Flow

 

 

どうしたことやら
おれはあまり言うことがない
日の光が

 

 

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Tomorrow Is A Long Time

 

 

今日という日が果てしないハイウェイでなく
今宵が曲がりくねったやぶ道でもなく
明日がそれほど遠くもなければ
さびしいということは何の意味もないだろう
そう、ぼくの最愛のひとが待っていてくれて
彼女の鼓動がしずかに脈打つのが聞こえ
彼女がぼくのそばに横たわってさえくれていたら
ぼくはもう一度 ベッドにもぐり込もう

 

水に映った自分の影を正視できない
苦痛をさらさずに話すこともできない
自分の足音さえ聞こえないし
自分の名前がどんな響きだったかも思い出せない
そう、ぼくの最愛のひとが待っていてくれて
彼女の鼓動がしずかに脈打つのが聞こえ
彼女がぼくのそばに横たわってさえくれていたら
ぼくはもう一度 ベッドにもぐり込もう

 

銀色にさざめく川の美しさ
空を彩る日の出の美しさ
だが何であれ どんな美しさも
ぼくが覚えている彼女の瞳には遠く及ばない
そう、ぼくの最愛のひとが待っていてくれて
彼女の鼓動がしずかに脈打つのが聞こえ
彼女がぼくのそばに横たわってさえくれていたら
ぼくはもう一度 ベッドにもぐり込もう

 

 

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I Shall Be Released

 

 

すべてのものは取り替えがきくというが
すべての距離は近くはない
そんなふうに おれをここに入れたやつらの
すべての顔を覚えている

西から東まで
おれの光が輝き来るのが見える
いつか、もういまだって いつか、もういまだって
おれはきっと解き放たれるだろう

 

誰にも保護が必要だし
誰もが一度は倒れるものだという
だがこの壁のはるか高みのどこかに
おれの反射が確かに見える

西から東まで
おれの光が輝き来るのが見える
いつか、もういまだって いつか、もういまだって
おれはきっと解き放たれるだろう

 

このさびしい群衆の中で おれの横に立っている男は
自分は濡れ衣を着せられたのだと言い張る奴だ
一日中おれは 奴が大声を張り上げ
自分は無実の罪だと抗議するのを聞く

西から東まで
おれの光が輝き来るのが見える
いつか、もういまだって いつか、もういまだって
おれはきっと解き放たれるだろう

 

 

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You Ain't Going Nowhere

 

 

雲のながれははやく 雨はやみそうにない
門はしまらず 手すりは凍っちまった
冬のことなんか忘れちまえ
どうせ行くところなどありゃしない

ウーイ! 景気づけとくれ
あしたは花嫁のやってくる日だ
オーホー! 二人して
安楽椅子に飛び込もうか

 

やつらがいくら便りを送りつけてこようが 知っちゃいないね
朝はきて 朝はすぎる
金をかきあつめ 荷造りしたところで
行くところなどありゃしないさ

ウーイ! 景気づけとくれ
あしたは花嫁のやってくる日だ
オーホー! 二人して
安楽椅子に飛び込もうか

 

おれにフルートと 使える銃と
トラックの後部板に代用食を買ってくれ
根をおろした木にじぶんをくくっときな
どうせ行くところなどありゃしないのだから

ウーイ! 景気づけとくれ
あしたは花嫁のやってくる日だ
オーホー! 二人して
安楽椅子に飛び込もうか

 

ジンギスカンはたっぷり眠った諸侯を
抑えつけておくことはできなかった
どれだけ険しかろうが あの丘をのぼってやるさ
そのときが来たらな

ウーイ! 景気づけとくれ
あしたは花嫁のやってくる日だ
オーホー! 二人して
安楽椅子に飛び込もうか

 

 

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