Wedding Song
これまで以上にきみを愛する
時よりも愛よりもお金よりも
そして空の星よりも きみを愛する
狂気よりも 波間に漂う夢よりもきみを愛する
生命そのものよりもきみを愛する
ぼくにとって きみはそれだけ相応しい
きみといっしょに歩むようになってから
円は完結した
陽の光のあたらない
道化師の中庭にたむろしていた
街路の顔たちや幽霊の部屋とはもうおさらばだ
これまで以上にぼくはきみを愛していて
いまだ始まってさえもいない
きみはぼくに息をふきかけ
ぼくの人生をより豊かなものにしてくれた
貧窮の深みに陥っていたとき
ぼくに与えることを教えてくれた
ぼくの夢から涙をぬぐい
ぼくを穴からひきあげてくれた
これまで以上にきみを愛することが
ぼくを魂へと結びつける
きみは赤ん坊をくれた 一人、二人、三人、と
そればかりか ぼくの命まで救ってくれた
“目には目を、歯には歯を”のごとく
きみの愛はナイフのように直截だ
きみへのぼくの想いは息つくひまもなく
もし嘘をついたなら それがぼくを死に至らしめるだろうが
自分の感覚が死に絶えるのを見届けるために
ぼくはきみに この世界を生贄として捧げることだろう
この地上で奏でるための
きみとぼくの調べを
たとえどれほどの価値であろうと
二人で精一杯 演奏しよう
失われたものは失われ
洪水に呑み込まれたものは取り戻せないが
きみはぼくの歓びであり
血よりも深く愛している
世界全体を作り直すなど
けっしてぼくの義務ではないし
突撃の合図を鳴らすこともまた
ぼくの意図ではない
なぜなら それらすべてよりも
屈することのない愛できみを愛している
そしてもし永遠というものがあるならば
そこでふたたびきみを愛するだろう
ああ、分かるだろう
ぼくと並んで立つために きみは生まれたのだ
ぼくはきみといっしょになるために生まれ
きみはぼくの花嫁になるために生まれた
きみはぼくのもうひとつの片割れで
パズルの欠けたピースのようなもの
そしてぼくは 終わることのない愛で
これまで以上にきみを愛する
日々 きみはぼくの潮流を変え
ぼくが見るべきものを示してくれる
きみの近くにいる ただそのことが
ぼくにはいちばん自然なこと
たとえ何が起きようとも
けっしてきみを手放しはしまい
なぜなら いまや過去は消え去り
これまで以上にぼくはきみを愛するから