039. 奈良・高円山の送り火に「国家守護たる殉国の英霊」顕彰を見る

背中からの未来

 

 

■039. 奈良・高円山の送り火に「国家守護たる殉国の英霊」顕彰を見る

 

  毎年お盆の頃(8月15日)に行われる奈良の大文字焼きはわが家の2階や、母の6階の団地のベランダから見えるのでいつも愉しんでいるが、この高円山の送 り火がじつは「奈良県出身の29,243柱の英霊を供養するため」の慰霊祭であることを知っている人はあまりいないのではないか。

 京都 の五山送り火の始まりは江戸時代まで遡るらしいが、奈良の送り火はずっと新しく、戦後しばらく経った昭和35年、後の奈良市長で当時は三笠温泉鰍フ社長 だった鍵田忠三郎の「敗れた大東亜戦争で戦死戦没なさった2万5千柱の戒名を必ず読上げ大炬火を大文字にたき、霊を慰めると共に、遠く県内各地より、この 火を眺めて下さる人々に、戦死戦没者の霊に合掌してもらう機会をつくりたい」という思いから始まった。第1回の役員には鍵田のほか、奈良市遺族会会長や奈 良県護国神社宮司などが、東大寺長老、大安寺貫主らと名を連ねている。

 行事工程表は4月の「護国神社に英霊数の確認」から始まる。そし て当日8月15日は午後6時50分に「霊記」(29,243柱の戦死者名簿)が高円山に到着。まず春日大社神官により神式の祭儀が行われ、ついで市内30 ケ寺の僧侶による仏式の法要が営まれ、このときに「奈良県出身の戦没者29,243柱のお名前が奉読」される。遺族代表が焼香・拝礼し、その後に送り火が 点火される。

 高円山には碑があり、次のように記されているという。「高円山はかつて聖武天皇が離宮を営んだ地であり、弘法大師の師匠で 大安寺の僧であった勤操が岩渕寺を創建した霊山である。また護国神社のご神体の裏に位置する。こういったことから、高円山に大文字送り火を点火することに した。」

【 大文字行の際の祭文(平成6年時)】
 維時平成6年8月15日此処春日飛火野の聖域に祭壇を設え明珍達男之命を初め奈良県殉国の神霊29,243柱の英魂を招き奉り奈良大文字保存会 鍵田忠三郎 敬ひ慶んで白す
  顧みれば命たちは去ぬる明治戊辰の役以来日清日露の両戦役近くは第2次世界大戦に於て一身を国家の危急に捧げ 護国の神として高円の丘に鏡り座します 国 破れ時移り代は更ると錐も命たちの大いなる武勲は国家の生命とともに永久に諾え仰かる可きものにして更らず われら縁を得て昭和35年白月15日大文字慰 霊の祀りを高円の山に創め春日の大神をはじめ天神地祇の神助を仰ぎ宇宙萬霊の御加護の下数多同志の協力により命たちの武勲を讃えその霊を慰むるに大文字送 り火を以てするの基を拓きたり 昭和36年この慰霊の行を歳と共に盛んにし永く子々孫々に伝えるため谷井友三郎の主その他同志と相寄り相計り奈良大文字保 存会を結成し、これが行事を継承し年毎の謂れ深き8月15日この高円甲山に第35回の慰霊大文字の聖火を奉行せんとす これ殉国の命たちを始め奉り有縁無 縁の萬霊を慰め祀り恩讎を越えて敵味方供養の炬火を津々浦々に及ぼさんがための微衷なり 希くは英魂大文字送り火の炬火を諾い享けられ永く国家守護の神と して高円の丘に安らかに鏡まり給わらんことを恭しく聖火を捧げ慰霊の誠をいたし国家の繁栄と世界〆平和を祈念し謹しみかしこみて祭文となす     

 神社仏閣が手を携えて「国家守護たる殉国の英霊」を祭り上げる風景は、こと8月15日の高円山の祭事場に於いては戦前の亡霊さながらである。

▼奈良大文字保存会(PDF)
http://www.bunka.go.jp/.../sup.../pdf/katsudo_minzoku_06.pdf
▼「殉国の諸英霊よ、御霊安かれ:奈良大文字保存会40年史」(奈良大文字保存会)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003587681-00
▼旅 free style 翁の謎F 奈良大文字 送り火 『死者が住む高円山』
http://arhrnrhr.blog.fc2.com/blog-entry-98.html
▼宝蔵院流槍術>禅小話>
大文字送り火行を創始する・鍵田忠三郎
http://www4.kcn.ne.jp/~hozoin/kagitadaimonji.htm
4大文字行
http://www4.kcn.ne.jp/~hozoin/zen04.htm
▼浄土宗奈良教区青年会
http://narajosei.info/archives/3259

2017.5.14




  今朝の朝日新聞の奈良版。「奈良大文字送り火は午後8時に点火された。今夏で58回目。戦没者の慰霊や東日本大震災などで亡くなった人の追悼などの思いを 込めて催されている」 違うよ。奈良大文字送り火は「神社仏閣が手を携えて「国家守護たる殉国の英霊」を祭り上げる」ことから始まって、いまも毎年、「神 霊29,243柱の英魂を招き奉り」奉読されている。こういう事実はちゃんと伝えていこうよ。「祈り ともす」なんて夏の風物詩の情緒でくくるな、ばかた れ。
2017.8.17



 「「国家守護たる殉国の英霊」を祭り上げる」現場をいちど見てやろうと思いながら、ことしも仕事が入って行けなかったなあ。
 ことしもなんの反省もなく「神霊29,243柱の英魂を招き奉り」奉読した坊主ども、おまえらにブッダのおしえは無用。

  魂を売り飛ばした腐れ坊主と神官どもが英霊をたたえ、吹奏楽が「海ゆかば」で天皇のために屍になっても厭わないものたちをたたえ、それを一言も書かないマ スゴミが「奈良の情緒たっぷり」の記事を書いてみずから屍になっていく、それが奈良大文字送り火。上記に連なって安穏としている奴らも同罪。この国の葬 式。

▼【高円山大文字火床】戦没者供養の送り火が実施される空間は大パノラマが広がる眺望スポット
https://narakanko-enjoy.com/?p=21285&fbclid=IwAR2aSM9XnFMsY0YxXP7ncKnEp2AduSKeIxMZxhqtX5e-2Qoy8c0AWY9dP30
2018.8.17

 

 



 

 

 

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