029. 京都・寺町通り 今尾栄仁“ウィンドウ・ギャラリー”

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■029. 京都・寺町通り 今尾栄仁“ウィンドウ・ギャラリー” (2015.6.22)

 






 

 日曜。京都市役所付近へ行く所用があり、かねてから覗いてきたいと思っていた今尾栄仁さん(はるさん経由でFBの友リクを頂いた)の作品を“ウィンド ウ・ギャラリー”として展示している寺町通りの「ガクブチのヤマモト」さんへ立ち寄った。移転・再建されたかの本能寺のすぐ先にある。残念ながら日曜は店 がお休みらしくて格子シャッター越しであったけれど、逆に閉店故に格子シャッターにへばりつきながらじっくりと堪能できたかも知れない。作品は掛け軸のよ うな縦長の小品が4点、ほか3点の計7点。なかでも個人的にいちばん印象的だったのは「浮く森」と題した作品で、これは見た瞬間、「ガツンとやられた」。 和歌山・新宮に「浮島の森」というのがあるが、ここでは碧い宇宙空間の無辺の上方に、「もののけ姫」のシシ神のような線刻の白い森が上下対称に浮かんでい る、そんな森である。それからもう数万年前からここに在る、といった山の年輪が刻まれ息づいている「何処から」―――これも部屋にあったら、いつも山の息 吹を感じられるなあと思った一枚で魅せられた。何より岩の記憶、地層の記憶が立ち昇ってくるようで、ごつごつとした肌触りとやわらかな悠久の時間が共存し ている、そんな不思議な風情がある。格子シャッターの前を何度も往復し、覗き込み、立ち尽くす。時折自転車に乗ってきたおじさんが隣で覗き込んでいった り、商店街を歩いてきた女性が足を止めて見入ったりしていた。メモ代わりにと格子シャッター越しに写真も撮ってきたけれど、やっぱり写真じゃ、あの質感は 分からないんだな。日曜の商店街の道端の、30分ほどの短いが、濃密な時間であった。また、見たい。 展示は6月末まで。
今尾栄仁HP http://www.eonet.ne.jp/~eijin/
ガクブチのヤマモト http://www.framing-y.com/

  それから四条河原町へ下っていく道すがらで、安保法制反対の学生らによるデモ行進に遭遇し、しばらく歩道側を一緒にあるいた。「500人集まればいい かなと思っていたけど、なんと2000人も来てくれました」とマイクを持った学生が叫んでいた。実名をあげて、車の上で反対演説をする若い女の子がいた。 「ノー・モア・ヒロシマ、ノー・モア・ナガサキ」と調子の上がらぬ色褪せた文句を繰り返す共産党の行列に比べて、学生たちの列は新鮮さに溢れていた。この 国はまだ大丈夫かも知れない、という予感がした。たとえその何十倍の人々がふだんと変わらぬ様子で繁華街を歩いていたとしても、だ。

2015.6.22

 

 

 



 

 

 

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