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■100. ミャンマー・マンダレーのデモで射殺された19歳の Ma Kyae Sin を悼む (2021.3.6)
"Everything will be
okay(きっとうまくいくわ)" 2021年3月3日、ミャンマーのマンダレーでデモの最中、軍のスナイパー(狙撃手)によって首を撃ち抜かれて死ん
だ19歳の少女 Ma Kyae Sin
が着ていたTシャツに書かれていた言葉。その言葉を彼女の死とともに呑み込もうとするのだが喉元につかえてしまう。首が灼けるように痛い。一発の銃声は
あふれるほどたくさんの思いを無慈悲に終了させる。きっとうまくいくわと震えるじぶんに言い聞かせてみながあつまる路上へ飛び出した19歳の少女の死。英
雄でも殉教者でもない、どこにでもいる平凡なきみやわたしの日常のなかの決意。肉と骨がくだける。呼吸ががらんどうの風のように響く。ひかりが遠ざかる。いつかおなじようなことに直面したら、おれもおなじように路上へ飛び出して
いくよ。約束する、Ma Kyae
Sin。ちっぽけでばらばらのようでもひとつのあかりをめざしてつらなっていく波のような列が見える。やつらの暴力は圧倒的だが、やつらの銃では殺せない
ものがこの世にはある。首元が灼けるように痛む。一瞬だ。あふれるほどたくさんの思いが暗闇に投げ棄てられる。その闇の深さにたちすくむ。やつらの銃には
真理がない。"Everything will be
okay(きっとうまくいくわ)" 言葉は闇の底でほのかなひかりをたたえている。約束する、Ma Kyae Sin。2021年3月6日、日本。
2021.3.6
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